第1回のまぜこぜ富山を砺波市の若鶴酒造(2023.9.17)で、第2回を氷見市の芸術文化館(2024.5.19)で開催しました。
初めてまぜこぜ富山を開催する際に、たくさんの方々と話をする中で、人生には「え、まさか」ということが起こる、突然それまでの人生が変わってしまう事があるということを語り合っていました。それは、個人にもあるし、地域や国を取り巻く環境でもあるでしょう。
実際、戦争が起こり、世界中でコロナ禍を体験することも、誰もが「え?」っていう体験だったに違いありません。
そんな時に助け合う心があれば、お互いを気にかけ、寄り添い合う関係ができていれば、少なくとも、心は持ちこたえられるんじゃないかって。やさしい世界をつくる為の未来への投資でもあると話し合っていました。
そして、私たちは元日に、能登半島地震という新年が明けた日に、大きな災害を体験することに。
あの日に、一瞬にして人生が変わってしまうという事が起こりました。
大切な人を亡くし、また家を仕事場を失くした、何日も取り残された、怪我をした、それぞれの場所で、それぞれの立場で、それぞれの被災がありました。言葉で表すのは難しい状況です。
実際に、それほどの被害がなかった人でも、全員が、怖い、命が危険を感じる体験はしたわけです。
そこから、支援する側、される側、支援されながらも支援する側でもある方など、皆が一生懸命、「今、何が出来るか」を考え、悩み、探りました。当初は報道を見て、動いていいの?待つの?迷惑なことになるんじゃないか?こんなに近い場所にいながら、無力感と何かしなければという気持ちのせめぎ合いで、共感疲労を起こしてしまい、身動きできなくなってしまう人も、私も含めて多かったと思います。
ようやく、復活して、何かやらなければという思いを、私に出来る形でやるとすればと考えた時に、まぜこぜ富山が形としてあったことは、動きやすい一つの手段となりました。
まず、関わる人々が何を思い、考えているのか、気持ちを打ち明けあいました。。障害や病気を抱えているみんなも、発災時はすぐに逃げられなかったり、支援したくても物理的に無理だったりとモヤモヤした気持ちを抱えているのは、同じでした。
そうか、それだったら、まぜこぜ富山でやろう!みんなが参加できるまぜこぜでやろう!というのが第2回を開催するきっかけとなりました。
富山県で一番被害が大きい氷見市で開催できれば、皆に足を運んでもらえるし、被災しているお店の方々も、近いなら出店できるかもしれないと考え始めていたところ、1回目のまぜこぜの時のように、またご縁を繋いでもらい、氷見の芸術文化館からオファーを頂いたのです。(感謝!)
氷見市は年明け、本来なら寒ブリで人がにぎわう時期でありながら、閑散としていて、営業できるお店や宿泊施設の経営までもが立ち行かない状況になっていました。これがしばらく続き、国の北陸応援キャンペーンで人が戻ってきても、年明けの打撃分を取り戻すには、まだまだ足りないことは予想できます。
1/23に砺波の無印良品でFOR HIMIというチャリティーイベントを仲間たちとやり、氷見の来れるお店に出店してもらいました。チャリテイーをやるからには、自分の足で被災地を周り、見て聞いてということを始め、個人でもできる支援をやりながら、何が必要なのかを掴みに行きました。
まぜこぜ大阪のNPO essenceの守部さんも、関西チャリテイーレストランの事務局をしていることから、現地入りして、一緒に被災地をまわって、商品を購入するなどして、チャリテイーレストラン開催と販売をいち早くやってくださいました。
当時は被災地に足を踏み入れるのが怖いという人も多い中、いつも最大限にできることをやる守部さんが現地入りして、一緒に回ってくれることは、本当に心強くてありがたかったです。
まぜこぜ富山IN氷見で、出店者の方々との話し込みは、こういった自分の目で見た、心に刻んできたことがなければ、とても被災した当事者の方とは渡り合えない。生業が立ち行かない状況で、出店できるかどうかを聞くのも、発災前から人間関係がなければためらわれます。そこも、間に入って、取り持ってくださったりと話ができるように動いてくださる方に助けてもらいました。
私がまぜこぜを氷見でやるのは、震災で突然人生が変わってしまった人と震災前から命と向き合っている人、治らない病気や障害と向き合っている人がここで出会うということ、お互いの人生に起きた「え、まさか」について何を感じ、声を掛け合うのか。
どんなにお金があっても、どんなに社会的地位があっても救えないことに対して、何が心を満たしてくれるのか。
私は、その人の心に灯る愛しかないと思っている。愛だけが行動させ、誰かのために動くことで、結果、自分の心を満たすんだと本気で思っている。
それは、先に天国で待っててくれている子供達や友人達が命をかけて、この世は愛だよって見せてくれたから。それを引き継ぐことが私のやるべきことだと気づいたから。天国のみんな、ありがとうっていつも思ってる。
天国から応援してくれていることを感じるし、一緒にやっているような気持ちです。
まだまだ復興支援は必要だし、まぜこぜの世界もあちこちで見られる富山県になりたい。
「富山県ってやさしい」って言われる地域に。
まぜこぜ富山、たくさんの皆さんに応援してもらっています。感謝だらけです。
そのおかげで小さな奇跡が会場の中でいくつも見ます。ありがとう、ありがとうがいっぱいのまぜこぜ富山。何一つ欠けても、まぜこぜ富山の愛いっぱいの雰囲気は成り立たないと思います。
さて、第3回が、11月3日に若鶴酒造で開催が決まっています。富山マラソンと同じ日ですがあちこちで富山が盛り上がる1日になりそうですね。